『祖父の形見石を身につけたい』
タイトルのように願いをお聞きして、石を預かりました。
今日は、
あるご婦人のおじいさんが着けていた装飾品の石を使って、
リフォーム(別の装飾品にする加工)をした指輪について書きます。
『展示してあるものを見てるから、デザインはお任せします』
そう言っていただき嬉しい気持ち。
と同時に『さてどうしたものか』と考えました。
“おまかせ”は、基準があるようで無いんです。
しかしこんな時は、作り手の自信を発揮しながら
お客さんの希望と願いを出来る限りお聞きできれば
形が見えてきます。
今回は、この石の巡ってきた経緯と
だからこその願いを聞く事が出来ました。

・祖父が身につけていた物についていた石。
・そのままにしているより、身につけて一緒に居たい。
・私が着けられる(希望のデザインにした)指輪にして欲しい
それから、nike-neko(にけねこ)の展示を見て
立ち寄ってくれて、買っていてくれて、
そして猫が好きで、お家でも保護した猫と暮らしている
それらの話をお聞きした上でのお願いだったことを考えて、
その場で、使用する素材、指輪の幅やリングサイズ、
立体感もデザンとともに決めました。
WAXで原型製作


ここで発覚!!

枠から外したら、石の下が欠けていたんです…
なるほど….

それならってんで、デザインの追加です。
欠けている部分をささえてくれる猫がこっそり登場です。
制作する時には、改めて微調整をして、
それがなんとも可愛いデザインの誕生に成るんです。


こちら側には盛り上がった肉球。

そして反対側は、猫が歩いて付けていった足跡です。
凸と凹の肉球、
このリングの世界における陰と陽のバランスを閉じ込めました。
18金に鋳造、その後

・18金を流し込んだ時の流し口を削ったあと、
写真の黄色いお尻の紙ヤスリで大きく目立つ傷を取ります。
(全体的に金属の肌を均一にしていきます)

黄色いお尻の紙ヤスリでも傷は残るので、
青いお尻の紙ヤスリでさらに傷を小さくしていきます。

デザインの中には小さく細かい部分もあるので、
そんな時には、こんな紙ヤスリを使います。

3回目の紙ヤスリで、ほぼきずは無くなります。

緑のものは研磨剤
これを布にたっぷり付けて高速回転させて磨きます。
そして超音波洗浄機で、洗います。

そして石をはめ込んで爪を倒して留めます。

再度、傷を取り、研磨剤で磨いて、
最後に食器用洗浄液でも洗って完成。
お披露目





お客さまの感想
こんなにたくさんの工程があるなんて思わなかったです。
娘とも『すごいね』、『いいのが出来たね』って話をしました。
またお近くに来る時には、連絡くださいね。
他にも石があるんです
まとめ
今回は、石についていた細かな傷は思い出として、
そのまま活かす事にしました。
こうしてまた太陽の下で輝いてくれたら嬉しいと思います😊
さて、フルオーダーメイトについて、
ご興味のある方は
↓コチラのページ最後を見てください。